公開日: 2026.10.21 / 最終更新日: 2026.10.21

Shopify保守費用の相場|月額に何が含まれるかの確認点

Shopifyの保守費用の相場は、月額が時間制・定額の範囲制・都度見積もりのどの型かと作業範囲で決まります。型ごとの比べ方、月額に含まれる作業と含まれない作業、見積書・契約書で見る5つの確認点を説明します。

机の上に月額の請求書と砂時計が並び、その横に立つ担当者が虫めがねを請求書にかざして内訳を覗き込んでいる情景イラスト

Shopifyの保守費用は、月額の金額だけでは相場と比べられません。同じ月額でも、「時間制(月の作業枠)」「定額の範囲制」「都度見積もり」のどの型で組まれているか、どの作業まで含むかで、受け取る中身が変わるためです。自社の月額が高いか安いかは、型をそろえて比べます。時間制なら月額を作業枠の時間で割った実質の時間単価、範囲制なら含まれる作業の一覧、都度見積もりなら直近1年の見積もり合計を12で割った月額換算で比べると、他社の見積もりとも並べられます。

毎月の保守費用を払っているのに何をしてもらっているのかが見えない、というのは、制作会社にShopifyの保守を頼んでいる担当者からよく聞く悩みです。以降は、3つの型の違いと比べ方、月額に含まれる作業と含まれない作業、見積書・契約書で確認する5つの点、月額を見直す手順の順に書きます。

保守費用の相場が金額で答えられない理由|型と作業範囲で決まる

保守費用は、制作会社が自社のサービスとして値付けしている金額です。Shopify本体の利用料(プラン料金)やアプリの月額とは別の支払いで、これらはShopifyやアプリ提供元へ直接支払い、制作会社の月額には通常含まれません。プランごとの料金(2026年10月時点で、月払いのBasic 4,850円からAdvanced 58,500円まで)はShopifyの費用|月額料金・手数料・プラン比較【2026年】を参照してください。同じ「月額保守」という名前でも、ある会社では障害対応と問い合わせ窓口に限られ、別の会社では月の作業枠つきで修正作業まで込み、というように中身が違います。金額を並べても、違うものを比べていることになります。

月額保守の金額は、次の3つの要素で構成されています。どこに重心があるかで、後述する3つの型のどれに当たるかが決まります。

  • 人の時間:実際に手を動かす作業時間。文言や画像の修正、テーマやアプリの更新作業、設定変更など
  • 責任範囲:障害が起きたときの復旧、更新への追従など「何かあったときに動く」という約束。作業がなくても責任は発生している
  • 待機:連絡を受ける窓口と、すぐ対応できる人員の確保。作業がない月でも、この部分の費用はかかっている

「何もしていないのに払っている」と感じる月は、人の時間がゼロでも責任範囲と待機の分を払っている状態です。それ自体は不当ではありませんが、その比率が自社の依頼の実態と合っていないと、払っている分と受け取っている分がずれていきます。

月額保守の3つの型|時間制・定額の範囲制・都度見積もり

Shopifyの月額保守は、契約書の書き方によって次の3つの型のどれかに当てはまります。自社の契約がどれかを知ることが、相場を考える前の出発点です。

月額保守の中身を3つの型に分類した図。①時間制(月の作業枠)=月の作業時間を買っており修正作業は枠内、②定額の範囲制=決められた作業一覧を買っており一覧にない依頼は見積もり、③都度見積もり=月額は窓口のみか無しで作業ごとに見積もり、の3列を並べ、それぞれ確認する場所(作業枠の単位と繰越/含まれる作業の一覧/見積もりの基準)を添え、相場は型と作業範囲で大きく変わると脚注に記している
型月額で買っているもの向いている状況起きやすい不満
時間制(月の作業枠)月○時間(または○件)までの作業時間。超過分は別途毎月こまごました修正や更新の依頼がある枠を使い切らない月も同額。枠の消化状況が見えない
定額の範囲制決められた作業一覧(障害対応・更新・窓口など)修正は少なく、止まらない安心を買いたい一覧にない依頼がすべて見積もりになる。何もしていないのに払っている感覚
都度見積もり月額はなし、または窓口のみ。作業ごとに見積もり依頼が年に数回しかない小さな修正でも見積もり待ちになり、対応が遅く感じる
月額保守の3つの型の比較

型ごとに、金額の比べ方が違います。

  • 時間制:月額を作業枠の時間で割り、実質の時間単価を出す。範囲外作業の時間単価や、他社の時間単価と比べる。枠を毎月どれだけ使っているかも合わせて見る
  • 定額の範囲制:含まれる作業の一覧をそろえてから比べる。一覧の項目数が違う見積もりを、金額で並べない
  • 都度見積もり:直近1年の見積もり合計を12で割って月額に換算し、時間制や範囲制の月額と並べる。見積もりを待った日数も記録する

どの型が正解ということはありません。依頼の頻度と内容に合っていれば、どの型でも納得感は得られます。問題が起きるのは、自社の月額がどの型なのか分かっていない状態です。時間制だと思っていたら範囲制で修正が範囲外だった、範囲制だと思っていたら保守の定義が障害対応に絞られていた、というずれが、「毎回見積もりが来る」「返事が遅い」という不満の原因になっていることがよくあります。

月額に含まれやすい作業/含まれないことが多い作業

次の表は、月額保守に含まれやすい作業と、含まれないことが多い作業の目安です。契約によって異なるため、最終的には自社の契約書で確認してください。右の列には、見積書や契約書で何を見れば判断できるかを添えています。

作業月額に含まれるか確認のしかた
障害の一次対応(表示崩れ・購入できない等の切り分けと復旧)多くは含まれる対応時間と一次回答の目安が書かれているか
問い合わせ窓口(メール・チャット)多くは含まれる窓口の手段と受付時間が書かれているか
Shopify本体・テーマ・アプリの更新情報の確認と連絡多くは含まれる。ただし「連絡まで」で更新作業は別のことも更新作業そのものが含まれるか
テーマのバックアップ(更新前の複製)多くは含まれる頻度と、どこに保管されるか
軽微な修正(文言・画像・バナーの差し替え)型による。時間制なら枠内、範囲制は一覧次第「軽微」の定義が書かれているか
新機能の追加・ページの新設・アプリの導入設定含まれないことが多い範囲外作業の見積もり基準
広告運用・SNS・メール配信などの集客含まれないことが多い別契約かどうか
アクセス解析のレポートと改善提案含まれないことが多い(含む場合は項目を確認)レポートの項目と頻度
Shopifyプラン料金・アプリ利用料・ドメイン費用含まれない(Shopifyやアプリ提供元へ直接払う)支払い名義と請求元
月額保守に含まれやすい作業・含まれないことが多い作業(一般的な目安)

表の下のほうにある集客や改善提案が含まれないのは、保守という契約の性質によるもので、制作会社の怠慢とは別の話です。「作る・守る」と「伸ばす」は別の仕事で、保守費用を払っていれば売上が伸びるという期待は、契約の中身と合っていません。また、Shopifyのプラン料金やアプリ利用料を制作会社が立て替えて請求している場合は、ストアの請求情報とアプリの契約名義が自社になっているかを確認してください。名義が制作会社のままだと、契約を切り替えるときにストアやアプリの移管が必要になります。

見積書・契約書のどこを見れば分かるか|5つの確認点

自社の月額に何が含まれているかは、次の5点を契約書・見積書・発注書から順に拾っていけば分かります。書かれていない項目は「含まれていない」と考えるほうが安全です。

  • 「保守」の定義:障害対応のみを指しているか、修正作業まで含んでいるか。定義の条文がない場合は、請求書の品目名が唯一の手がかりになる
  • 作業枠の有無と単位:「月○時間」「月○件」「月○営業日」のどれで書かれているか。余った枠の繰越ができるか
  • 範囲外作業の扱い:見積もりの基準が時間単価なのか案件ごとなのか。範囲外かどうかを誰が判断するか
  • 対応時間と一次回答の目安:受付の曜日・時間帯、一次回答までの目安、緊急時の連絡経路
  • 月次の報告:作業記録、残り枠、更新状況の報告があるか。報告がない契約は、含まれている作業が実際に行われたかを確かめる手段がない

口頭やチャットで交わした約束(「それくらいなら枠内でやりますよ」など)は、担当者が変わると消えます。確認した内容は、契約書の更新を待たずにメールで文面にし、双方で保管すると揉め事が減ります。契約書に書く項目の全体像は、Shopify保守契約の内容|範囲・対応時間・契約書で決める項目に一覧があります。

払っている分と使っている分を照らす|自社の月額を見直す手順

自社の月額が高いか安いかは、払っている分に対して何を受け取っているかで判断します。手順は4つです。

  • 直近6か月の依頼を書き出す:件数、内容、依頼から完了までの日数、追加費用の有無。チャットやメールをさかのぼれば十分
  • 契約書の型と作業範囲に当てはめる:各依頼を「枠内で対応」「範囲外として見積もり」「対応されず」の3つに分ける
  • ずれを数える:枠内のはずなのに追加費用を払ったもの、範囲外とされて止まったもの、見積もり待ちで期限に間に合わなかったものがいくつあるか
  • 依頼のない月を数える:作業がほぼない月が続いているなら、時間制の枠が大きすぎるか、都度見積もりのほうが合っている可能性がある

結果ごとの打ち手は明確です。時間制で枠が余る月が続くなら、枠を減らすか、余った枠を商品ページの手直しなど改善作業に振り替えられないかを相談します。範囲制で範囲外の見積もりが続くなら、軽微な修正の定義を契約に追加します。防ぎ方の手順はShopify修正依頼の追加費用|都度見積もりが続く理由と防ぎ方にあります。都度見積もりで待ち時間が長いなら、小さな作業枠を持つ契約に切り替えるほうが、依頼が早く通ります。

制作会社に聞くときの伝え方|「安くして」より「中身を揃えて」

値下げの話から入ると、相手は守りに入り、こちらも何を削られたのか分からないまま金額が動きます。最初に「月額に含まれる作業の一覧」「直近の作業記録」「作業枠の消化状況」を出してもらい、中身を揃えてから金額の話をするほうが、双方にとって納得しやすい結論になります。聞き方の例は次のとおりです。

  • 「月額に含まれる作業を、一覧の形で出してもらえますか。含まれない作業も分かると助かります」
  • 「直近3か月で行った作業と、それぞれにかかった時間を教えてください」
  • 「範囲外の依頼が来たとき、見積もりになるかどうかの基準はどこですか」
  • 「余った作業枠を、商品ページの改善のような作業に振り替えることはできますか」

これらに明確な答えが返ってこない場合は、契約の構造が曖昧になっています。一覧と記録がすぐ出てくる会社なら、月額の中身は見えているので、自社の依頼の実態に型を合わせれば済みます。それでも合わない場合は、契約の型と作業範囲を確認したうえで会社を選び直します。選ぶときの確認点は、Shopify BtoB開発会社の選び方と費用相場|7つの確認点が参考になります。

まとめ|自社の月額の型を知ってから相場と比べる

Shopifyの保守費用は、型と作業範囲で中身が変わるため、金額で高い安いを判断できません。自社の契約が時間制・定額の範囲制・都度見積もりのどれかを見極め、含まれる作業と含まれない作業を契約書から拾い、直近の依頼と照らし合わせます。この流れで見れば、何にいくら払っているのかを説明できるようになり、制作会社との話し合いも、値下げの押し問答から中身を合わせる作業に変わります。契約書に書く項目はShopify保守契約の内容|範囲・対応時間・契約書で決める項目、都度見積もりが続く場合の防ぎ方はShopify修正依頼の追加費用|都度見積もりが続く理由と防ぎ方が役立ちます。

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よくある質問

Q. Shopifyの保守費用の相場はいくらですか?
A. 金額で比べられる相場はありません。月額保守が時間制・定額の範囲制・都度見積もりのどの型か、どの作業まで含むかで中身が異なるためです。時間制なら月額を作業枠の時間で割った実質の時間単価、都度見積もりなら1年分の見積もり合計の月額換算で比べると、他社の見積もりとも並べられます。自社の契約の型と作業範囲を契約書で確認し、直近の依頼の実態と照らして判断してください。
Q. 保守費用にShopifyのプラン料金やアプリ利用料は含まれますか?
A. 多くの場合、含まれません。Shopifyのプラン料金やアプリ利用料は、Shopifyやアプリ提供元へ直接支払います。制作会社が立て替えて請求している場合は、ストアの請求情報や契約の名義が自社になっているかを確認してください。名義が自社なら、保守を別の会社へ移すときも手続きが少なく済みます。
Q. 月額保守を払っているのに、修正のたびに見積もりが来るのはなぜですか?
A. 契約が定額の範囲制で、修正作業が範囲の一覧に入っていないか、保守の定義に障害対応しか書かれていないことが多いです。契約の構造の問題なので、軽微な修正の定義と作業枠を契約に加えると解決します。
Q. 作業を何も頼まなかった月も、月額を払う必要がありますか?
A. 月額には、作業時間に加えて、障害時に動く責任範囲と、連絡を受けて対応できる体制を確保する待機の分が含まれています。そのため作業がない月でも支払いは発生します。ただし枠が余る月が何か月も続くなら、枠の縮小、繰越、改善作業への振り替えのいずれかを相談する余地があります。
Q. 保守契約を結ばずに、必要なときだけ都度見積もりで頼むことはできますか?
A. 可能です。依頼が年に数回しかない場合は、都度見積もりのほうが合っていることもあります。ただし障害が起きたときに誰がいつ動くか、テーマやアプリの更新を誰が追うかは自社で持つことになります。そこを自社で担えないなら、小さな作業枠つきの契約を検討してください。

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