公開日: 2026.09.24 / 最終更新日: 2026.10.21
商品ページの構成と並べる順番|自社ECの基本の型と直す優先順位
自社ECの商品ページは、購入者が「これは何か→自分に合うか→本当に届くか→ここで買ってよいか」と判断する順に並べます。7つのかたまりの基本の型、写真と説明文の直す優先度、主力商品から広げる進め方、効果の確かめ方を説明します。
メーカー・卸が自社ECを開いてしばらく経ち、商品ページまでは見てもらえているのに、カートに入る件数が伸びません。写真を撮り直すか、説明文を書き足すか、並べ方を変えるか。少人数で他の業務と兼務していると、ここで手が止まります。載せる要素はおおよそ見当がついていても、迷うのはそれをどう並べるか、限られた時間をどこから使うかです。
商品ページは、購入者が頭の中で順に考える4つの問い(①これは何か、②自分に合うか、③本当に届くか、④ここで買ってよいか)の順に答えが出るよう、上から並べます。具体的には、ファーストビュー、商品の説明、使う場面、選び方の補助、納期や返品の条件、レビューなどの安心材料、最後のひと押し、の7つのかたまりです。直すときは1枚目の写真から見直し、主力商品3〜5点で型を作ってから他の商品へ広げます。効果は売上より手前の、カートに入れた件数で判断します。
商品ページの構成は「購入者が判断する順番」で決まる
商品ページを作るときは、「この商品のいいところを全部書く」構成に傾きます。ところが買う側は、いいところを読みに来ているわけではありません。ページを開いてから購入ボタンを押すまでに、頭の中で4つの問いに①から④の順で答えを出しています。この流れは商材が変わっても入れ替わりません。値段の安いものでも、業務用の資材でも、「これは何か」が分からないうちに「買ってよいか」を考え始める人はいないからです。
構成が崩れているページは、たいてい購入者の判断の流れと並び順がずれています。たとえば、1枚目の写真が使用中の雰囲気カットで商品の全体像が分からない、こだわりの製造工程が上のほうに長く続いて用途やサイズが下に埋もれている、納期や最低ロットがページの一番下に小さく書かれている、といった状態です。どれも情報としては載っているのに、購入者が知りたい順に出てこないため、答えが出る前に離脱されます。要素の抜けを埋めるより、並び順のずれを直すほうが作業は小さく、結果もすぐ分かります。
並び順を決めるときは、スマートフォンでの見え方を基準にします。自社ECの閲覧はスマートフォンからが多く、画面に一度に入る情報量はパソコンよりかなり少なくなります。パソコンでは横に並んでいた情報も、スマートフォンでは縦一列に積み上がるため、「どの高さに何があるか」がそのまま読まれる順序になります。作ったページはスマートフォンで上から下までスクロールし、①の問いから順に答えが出てくるかを確かめてください。
基本の型:上から下へ並べる7つのかたまり
4つの問いを、ページ上のかたまりに割り当てると次のようになります。①②が「これは何か」、③④が「自分に合うか」、⑤が「本当に届くか」、⑥⑦が「ここで買ってよいか」に答えます。商材によって中身は変わりますが、かたまりの並びは変えません。自社のページをこの表と見比べ、抜けているかたまりと、位置が入れ替わっているかたまりに印を付けてください。
| 並び | かたまり | 載せる中身 | ここが弱いと起きやすいこと |
|---|---|---|---|
| ① | ファーストビュー(開いて最初に目に入る範囲) | 商品全体が分かる1枚目の写真、商品名、価格、一言の説明 | 数秒で戻られる。下まで読まれない |
| ② | これが何かの説明 | 用途、対象、サイズ・容量・入数、素材や規格 | 写真を何度も拡大される。同じ質問の問い合わせが届く |
| ③ | 使う場面が想像できる情報 | 使用中の写真、比較対象を並べた寸法の写真、セット内容 | 「自分に合うか」が決まらず、後で見ようと離脱される |
| ④ | 選び方の補助 | 型番、サイズ表、色や仕様の違い、似た商品との使い分け | 似た商品のあいだで迷ったまま終わる |
| ⑤ | 届くまでの条件 | 納期、送料、最低ロット、支払い方法、返品・交換の条件 | カート画面や支払いの直前で離脱される |
| ⑥ | 買ってよいと思える材料 | レビュー、使っている取引先の声、製造・検品の説明、保証 | カートに入れたまま戻ってこない |
| ⑦ | 最後のひと押し | 購入ボタンの再掲、よくある質問、関連商品・付属品 | 長いページの途中で力尽きて戻られる |
表のうち、メーカー・卸の自社ECで抜けやすいのは②④⑤です。②と④は社内では当たり前すぎて省かれやすい情報で、⑤は「問い合わせてもらえれば答える」と考えて書いていないことが多い項目です。いずれも、営業担当が電話や商談で毎回口頭で答えている内容と重なります。直近の問い合わせメールを10件ほど読み返し、繰り返し聞かれている内容がページ上にあるかを見ると、抜けが具体的に分かります。
⑤には補足があります。納期や最低ロット、返品の条件は、買う側が判断の終盤に見る情報です。ただ、そこまでスクロールしないと一切分からない状態だと、条件に合うかを知るためにページを行き来させることになります。ファーストビューの近くに「最低ロット◯個から」「通常◯営業日で出荷」といった一行を置き、詳しい条件は⑤にまとめる二段構えにすると、判断の速い人も、条件をすぐ知りたい人も止まりません。
写真と説明文、どちらを先に直すか
限られた時間で手を入れるとき、最も迷うのがこの判断です。基準は、「商品を見たことのない人が、その情報を文章と写真のどちらから受け取るほうが速いか」です。形・色・質感・大きさの感じ・使っている様子は写真のほうが速く、数値・条件・使い分け・理由は文章のほうが速く伝わります。写真で見せるべきことを文章で長々と説明していたり、数値で答えるべきことを雰囲気写真で済ませていたりする箇所から直します。
着手の優先度にも目安があります。1枚目の写真は、ページに入ってきた人が続きを読むかどうかを決める場所なので、ここから点検します。商品全体が入っている、背景がすっきりしている、拡大しても文字や仕様が読める、の3点を満たしていない主力商品があれば、撮り直しの優先度は高くなります。反対に、1枚目に問題がないのに滞在時間が短い、あるいは同じ質問が繰り返し届いているなら、原因は②④⑤の説明不足にあります。
- 1枚目の写真から直すケース:商品全体が写っていない、背景に関係のない物が写り込んでいる、スマートフォンの画面で細部が見えない、他の商品と見分けがつかない
- 説明文から直すケース:写真は整っているのに問い合わせで同じ質問が続く、サイズ・入数・型番がページ上で探しにくい、用途が書かれておらず「何に使う商品か」が伝わらない
- どちらも問題がなさそうなケース:⑤の条件(納期・最低ロット・返品)の抜けと、購入ボタンまでの距離を見直す。読み手が止まるのは、情報量が足りないときより、判断に必要な材料が揃っていないとき
説明文を一から書き起こす手間が負担なら、仕様や用途をAIで下書きし、事実確認と表現の調整を人が行う方法もあります。進め方と精度の上げ方は商品説明文のAI自動生成|EC向けの進め方・精度の上げ方・費用を参照してください。写真に付ける属性情報の付け方は商品画像のAIタグ付け方法|画像認識で属性を整理し検索に使うが参考になります。
全商品を一度に直さない:主力商品で型を作り、横に広げる
取り扱い点数が数百点ある状態で、すべての商品ページを同じ密度で作り込むのは、少人数の体制では無理があります。手始めに、どこまで作り込むかの水準を商品ごとに分けます。売上は一部の商品に偏っていることが多いため、主力商品を3〜5点選び、その数点で①〜⑦を最後まで揃えます。ここで作ったページが、以降のすべての商品ページの「型」になります。
型ができたら、残りの商品は3段階に分けて運用します。第1段階は主力商品と同じ密度で作り込むページ、第2段階は②④⑤(説明・選び方・条件)を埋めて写真は1枚目を整えるページ、第3段階は商品名・型番・サイズ・価格といった基本情報を正確に埋めるページです。第3段階でも、商品名と型番が購入者の呼び方と一致していれば、商品名や型番で調べた人の入口として機能します。売れ行きを見て、第3段階から第2段階へ、第2段階から第1段階へと個別に引き上げます。
型を横に広げるときは、書く項目の並びと見出しの言い回しを社内で統一します。ページごとに項目名が「サイズ」「寸法」「大きさ」とばらついていると、複数の商品を見比べる人が毎回読み方を切り替えることになります。主力商品のページが完成した時点で、見出しの語と並びを社内のひな形として書き出すと、以降の登録作業が速くなり、担当者が増えたときの品質のばらつきも抑えられます。
直した効果は何を見て判断するか
構成を直したあとに見る数字は、売上より手前にあります。訪問数が少ない段階の自社ECでは、売上は1件の注文で大きく振れるため、ページを直した効果なのか、たまたま注文が入ったのかを区別できません。見るのは、商品ページから次の行動へ進んだ件数です。
- 商品ページを見た人のうち、カートに入れた件数:構成を直した効果が最も早く出る場所です。件数が少なすぎて比べられないときは、複数の商品ページを合算して見ます
- ページのどこまでスクロールされたか:アクセス解析で下まで読まれているかを見ます。途中で止まっているなら、その手前のかたまりで判断が止まっています
- 問い合わせの内容:ページに書いたはずの内容が繰り返し聞かれるなら、書いてあっても見つけられない位置にあります。数の増減より、内容の変化を見ます
- 返品・交換の理由:「思っていたものと違った」が続く場合は、写真と説明が実物と合っていないサインです。この場合は構成より中身の正確さを直します
変更は、できれば一度に一か所ずつにします。写真と説明文と並び順を同時に入れ替えると、良くなったときも悪くなったときも、どの変更が結果を動かしたのかが分かりません。主力商品を3点選び、1〜2週間ごとに一か所ずつ直すほうが、少人数の体制でも判断材料が積み上がります。カートに入ったのに購入まで進まない件数が多いときは、原因が商品ページよりカート以降の設計にあることが多く、切り分けの手順はカゴ落ち対策|リカバリーメールの配信タイミングと効果の測り方にあります。
構成が整った先にやること:レビューと関連商品の置き方
①〜⑦が一通り埋まったら、次に手を入れるのは⑥のレビューです。自社のページで自社の商品を説明している以上、どれだけ丁寧に書いても「売り手の言い分」として読まれる部分は残ります。買った人の言葉は、その部分を補う材料になります。ただし、レビューは待っていてもほとんど集まりません。依頼を送るタイミングと文面の作り方は、ECレビューの集め方|依頼メールのタイミングと文面の作り方で詳しく説明しています。
⑦の関連商品も、置き方で意味が変わります。購入ボタンより上に「他の商品はこちら」と並べると、判断の途中で別のページへ移ってしまい、どちらも決まらないまま終わることがあります。関連商品は購入ボタンより下に置き、内容も「組み合わせて使うもの・付属品・消耗品」に絞ると、購入を邪魔せずに1回あたりの注文額を上げられます。組み合わせ方の考え方は、EC客単価の上げ方|クロスセル・送料無料ライン・セット販売の順番で扱っています。
構成を整えた商品ページも、既存の取引先や顧客に見てもらって初めて反応が返ってきます。公開したばかりで訪問がほとんどない段階なら、ページの作り込みと並行して、すでにある接点へ知らせるほうが早く動きます。何から手を付けるかは自社ECの集客を無料で始める方法|立ち上げ期の施策と着手する順番で取り上げています。
まとめ:順番を直し、主力商品で型を作り、件数で確かめる
商品ページの構成は、載せる要素の多さより、購入者が判断する流れとの一致で決まります。「これは何か」「自分に合うか」「本当に届くか」「ここで買ってよいか」。この順に答えが出てくるかを、スマートフォンの画面で上から下へスクロールして見ます。抜けやすい②④⑤(説明・選び方・届くまでの条件)を、営業が口頭で答えている内容から埋めます。写真は1枚目から直し、主力商品3〜5点で型を作って横へ広げます。効果は売上より、カートに入れた件数と問い合わせ内容の変化で確かめます。この進め方なら、兼務の担当者が週に数時間しか使えない体制でも、直した分が積み上がります。
問い合わせメールから抜けている情報を洗い出す作業、主力商品3〜5点のページ改修、カート追加数の計測と月ごとの比較は、どれもawai Buildの伴走支援に含まれます。支援の内容はawai Buildのサービス詳細に載っています。
自社ECの「作り方」も「伸ばし方」も、30分の無料相談で一緒に整理します作り方・予算のかけ方・マーケの知見・広告運用のうち、どれか一つが欠けていても、良い商品は売上につながりません。現状のEC・SNS・顧客データをうかがい、どこから伴走を始めるべきかをその場でご案内します。よくある質問
- Q. 商品ページに必ず載せるべき項目は何ですか?
- A. 商品全体が分かる1枚目の写真、商品名と型番、価格、用途、サイズ・容量・入数、納期、送料、最低ロット、返品・交換の条件の9つは、商材を問わず必要です。このうち納期・最低ロット・返品の条件は「問い合わせてもらえれば答える」と考えて書かれていないことの多い項目ですが、条件が分からないまま購入を決められる人は多くありません。主力商品のページで、この9項目に抜けがないかを確認してください。
- Q. 商品ページの構成に、決まった並び順はありますか?
- A. 商材によって中身は変わりますが、並べる位置は共通します。開いてすぐ目に入る範囲、これが何かの説明、使う場面が想像できる情報、選び方の補助、納期や返品などの届くまでの条件、買ってよいと思える材料(レビューなど)、最後のひと押し、という並びです。購入者が「これは何か→自分に合うか→本当に届くか→ここで買ってよいか」と順に判断していくため、その順に答えが出てくる並びにすると離脱が減ります。
- Q. 写真と説明文は、どちらを先に直すべきですか?
- A. 1枚目の写真は最初に確認してください。商品全体が写っている、余計な物が写り込んでいない、スマートフォンで見ても細部が分かる、の3点を満たしていなければ撮り直しの優先度が高くなります。1枚目に問題がないのに反応が弱い場合は、説明側に原因があることが多く、用途・サイズ・型番・条件といった、数値や理由で答える情報の抜けを埋めると成果につながります。
- Q. 商品点数が多く、全部のページを作り込む時間がありません。どうすればよいですか?
- A. 主力商品を3〜5点選び、その数点で構成を最後まで揃えて「型」を作ってください。残りは3段階に分け、第1段階は主力と同じ密度、第2段階は説明・選び方・条件を埋めて写真は1枚目のみ整える、第3段階は商品名・型番・サイズ・価格を正確に埋める、と水準を変えて運用します。売れ行きを見て個別に引き上げれば、全商品を一度に作り込まなくても進みます。
- Q. 商品ページを直した効果は、どの数字で判断すればよいですか?
- A. 商品ページを見た人のうち、カートに入れた件数を見てください。訪問数が少ない段階では売上は1件の注文で大きく振れるため、効果の判断材料になりません。あわせて、ページのどこまでスクロールされたか、問い合わせの内容が変わったか、返品理由に「思っていたものと違った」が続いていないかを確認します。変更を一度に一か所ずつにすると、どの変更が効果を生んだかを切り分けられます。
- Q. レビューや関連商品は、ページのどこに置くとよいですか?
- A. レビューは、用途やサイズなど基本の説明が済んだ後、購入ボタンの手前あたりに置くと、判断の最後を後押しする材料になります。関連商品は購入ボタンより下に置いてください。購入ボタンより上に他の商品への入口を並べると、判断の途中で移動してしまい、どちらも決まらないまま終わります。関連商品の内容も「組み合わせて使うもの・付属品・消耗品」に絞ると、購入の邪魔になりません。
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