公開日: 2026.07.12 / 最終更新日: 2026.10.21

商品画像のAIタグ付け方法|画像認識で属性を整理し検索に使う

商品画像のAIタグ付けは、検索ログからタグの軸を決め、代表画像の撮り方を揃え、一部のカテゴリで画像認識を試して人が確認する手順で進めます。絞り込み検索などの使い道と、3つの進め方の費用目安を説明します。

商品写真に認識枠が重なり色違いのタグが自動で貼り付き、右に似た商品の写真が並ぶAIタグ付けの情景イラスト

ECサイトで「この商品に似たものが欲しい」「この柄の色違いを探したい」と考える顧客は、言葉にしづらい見た目のイメージで商品を探しています。ところが多くのECサイトでは、商品画像に写っている色・柄・形・素材といった情報が言葉として登録されておらず、絞り込み検索や「似ている商品」の提案に使えません。文字で入力された検索語の表記ゆれやゼロ件ヒットとは別の問題で、そちらの対策はECサイトの商品検索をAIで改善|ゼロ件ヒットを減らす方法と費用に手順があります。

商品画像のAIタグ付けは、次の手順で進めます。①サイト内検索のログから、顧客が使う色名・柄・形の言葉を拾ってタグの軸を決めます。②代表画像の背景や向きを揃えます。③一部のカテゴリで画像認識AIにタグを付けさせ、人が確認して精度を測ります。④付けたタグを絞り込み検索から使い始めます。タグの軸を決めるのは自社の仕事で、AIはその軸に沿って画像を読み取る役割を担います。

なぜ商品画像は「見た目のまま」放置されやすいのか

商品画像は、登録された時点から「見た目を伝える写真」以上の役割を持たされていないことがほとんどです。次のような状態があれば、画像の情報は検索に生かされていません。

  • 商品画像に紐づく情報が「商品名」「価格」「簡単な説明文」程度しかなく、色・柄・形・素材・シーンといった画像に写っている要素が言葉として登録されていない
  • 撮影角度や背景がばらばらで、同じカテゴリの商品でも画像同士を機械的に比較しづらい
  • 新商品を登録するたびに、担当者が目視で似ている過去商品を探して分類・タグ付けしており、商品点数が増えるほど手が回らなくなっている
  • 紙のカタログや仕入先から届く画像に、色・型番などの情報が画像の中の文字としてしか存在せず、システム側にはテキストとして取り込まれていない

この状態では、検索機能を高度にしても、探す手がかりになる情報が画像に埋もれたままなので、検索や提案の精度は上がりません。

AIで画像に埋もれた情報を認識・構造化するとは、どういうことか

商品画像のAIタグ付けは、「画像認識AI」という単体の製品を入れる話にとどまりません。商品画像に写っている色・柄・形状・カテゴリをAIが読み取り、検索やレコメンドで使える属性データとして登録していく取り組みです。どの軸でタグを付けるかを決めるのは自社側で、その定義が曖昧なままでは、認識の精度が高いサービスを使っても業務には使えません。

使われる技術は主に2種類です。1つは、画像に写っている物や色を判定してラベルを返す画像認識サービス(クラウドの画像認識APIなど)です。もう1つは、画像を読み取れる生成AI(マルチモーダルLLM)で、自社で決めたタグの候補一覧を渡し、その中から当てはまるものを選ばせる使い方ができます。自社固有の分類軸に合わせやすいのは後者です。

タグの設計は、「顧客が検索している言葉」から逆算します。サイト内検索のログを開き、検索語に現れる色名・柄・形状の表現を書き出してください。「ベージュ」と検索されているのに商品側が「サンドベージュ」でしか登録されていない、といったずれが、タグ設計の要件になります。カタログにしか載っていない情報(画像の中の文字)がある場合は、その文字を読み取ってテキストにする工程も必要です。

提案書に「認識精度◯◯%」と書かれていても、その数字は測定に使った画像の条件によって変わります。自社の商品画像で試さない限り判断材料にならないため、提案を受けるときは自社の実画像100点での結果を見せてもらってください。精度の数字より、どこまでを自動でタグ付けし、どこを人が確認するかの切り分けが、導入後の使い勝手を左右します。

撮影のばらつきが、そのまま精度のばらつきになる

画像からの認識は、写り方に強く影響されます。仕組みに投資する前に撮影の条件を揃えると、同じ費用でも結果が変わります。

  • 背景を統一する:白背景など一定の背景で撮ると、形状・色の認識が安定する。既存商品を撮り直せない場合は、新規登録分から切り替える
  • 色は撮影条件で変わると心得る:照明によって同じ商品でも色が変わって写る。色名タグを自動で付ける場合は人の確認を一段挟むか、商品マスタ側の色名を正とする設計にする
  • 商品の向きと範囲を揃える:正面・全体が写る1枚を「代表画像」と決め、その1枚を認識対象にする。全画像を対象にすると、パッケージや小物が写った画像から誤ったタグが付く
  • 仕入先から届く画像の扱いを決める:形式も撮り方もばらばらなことが多いため、そのまま認識対象に混ぜず、代表画像を自社で撮り直すか、別扱いにする

この4点を整えると、認識結果の手直しが減ります。撮影の標準化は費用をかけずに始められ、商品ページの見え方も揃います。

タグを付けたあと、どこで使うか

タグ付けは手段で、使う場所を決めていないと作業が残るだけになります。成果が出やすい使い道は次の3つです。

  • 絞り込み(ファセット)検索:色・柄・素材で絞り込めるようにする。タグの効果が最も分かりやすく出る
  • 「似ている商品」の提案:商品ページの下部や在庫切れ時に、同じ属性を持つ商品を出す。在庫切れ時の代替提案は、機会損失を減らす手段になる
  • 検索語との突き合わせ:サイト内検索のログに出てくる語(「ベージュ」「大きめ」など)がタグとして存在しているかを確認する。存在しない語が上位にあれば、次に追加するタグの候補になる

使い始めるなら、絞り込み検索が確実です。使う場所を1つに絞れば、必要なタグの種類も決まり、使わない属性を作り込まずに済みます。Shopifyの場合、商品タグやメタフィールド(商品に独自の項目を追加する機能)に登録した属性は、Shopify公式の「Search & Discovery」アプリで絞り込みの条件に設定できます。

進め方:現状の把握から運用までの4段階

商品画像のAI認識・構造化を現状の把握・PoC・実装・運用の4フェーズで示し、散在する商品画像からAIによる色・柄・形状・カテゴリ認識、タグ・属性データとしての構造化、検索・レコメンドへの活用までを一体で示した図解
商品画像すべてを一気に対象にせず、現状の把握→PoC→実装→運用の段階を踏んで進める

商品画像すべてを一度に対象にせず、次の4段階に分けます。

  • ①現状の把握:今の商品画像にどんな情報が紐づいているか、撮影条件や登録フォーマットがどれだけばらついているかを洗い出し、自動でタグ付けできる範囲と人の確認が要る範囲を見立てる
  • ②PoC(概念実証。小規模に試して効果を確かめる工程):一部の商品カテゴリを対象に、色・柄・形状の認識とタグ付けを試し、認識結果の精度と、人による修正がどの程度必要かを確かめる
  • ③実装:PoCの結果を踏まえて対象カテゴリを広げ、タグ・属性データを検索やレコメンドの仕組みに連携できる形で登録・蓄積する
  • ④運用:新商品が追加されるたびにタグ付けの精度を保ち、タグの粒度や分類基準を売り場の実態に合わせて見直す

費用の目安

費用は対象商品数・画像の状態・活用範囲(検索に限るか、レコメンドまで含むか)で変わります。以下は市場の目安で、特定サービスの確定価格ではありません。

進め方費用の目安向いている状況注意点
社内または外注でタグを手入力する1商品あたり数十円〜数百円(項目数で変動)商品数が数百点で、追加が少ない新商品のたびに同じ費用が発生する
画像認識サービスの従量利用1枚あたり0.1〜数円程度汎用的な属性(色・カテゴリ)で足りる自社固有の分類軸には合わないことがある
自社の分類軸に合わせた個別構築対象点数と分類軸の数で変動(初期構築+保守)業種特有の分類(柄・形状・用途)が必要分類軸の定義を先に固めないと費用が膨らむ
商品画像の認識・タグ付けにかかる費用の目安(市場の一般的な水準)

判断の分かれ目は、必要なタグが汎用的な属性か、自社固有の分類かです。色やカテゴリ程度なら汎用サービスの従量利用で足り、「この柄は自社では何と呼ぶか」という軸が必要なら、分類の定義から設計します。

まとめ:画像に埋もれた情報も、検索と提案の材料にできる

「似ている商品が探せない」「新商品の分類・タグ付けが目視作業のままで手が足りない」と感じている場合、原因は検索機能より、商品画像に写っている色・柄・形状・カテゴリが言葉として登録されていないことにある可能性があります。タグの軸を検索ログから決め、代表画像を揃え、一部のカテゴリで試してから広げる手順なら、小さな費用で効果を確かめられます。

サイト内検索のログと商品マスタを突き合わせてどの属性からタグを整えるかを決め、Search & Discoveryの絞り込みに反映し、反映後に絞り込みがどれだけ使われたかを計測するところまでを、awai Build(自社ECの伴走支援)が担います。

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よくある質問

Q. 商品画像のAIタグ付けには、どんな仕組みを使いますか?
A. 主に2つです。画像に写っている物や色を判定してラベルを返す画像認識サービス(クラウドの画像認識APIなど)と、画像を読み取れる生成AI(マルチモーダルLLM)です。後者は、自社で決めたタグの候補一覧を渡して当てはまるものを選ばせる使い方ができるため、自社固有の分類に合わせられます。どちらを使う場合も、結果を商品マスタやECの商品データに登録する工程が別に必要です。
Q. テキスト検索の改善(意味検索)とは何が違いますか?
A. 対象が異なります。サイト内検索の改善は、顧客が入力した言葉から商品を探す精度を上げる取り組みで、表記ゆれや言い換えを吸収する意味検索が中心です。画像のAIタグ付けは、商品画像に写っている見た目の情報を言葉に置き換えて登録する取り組みです。タグが整うと、意味検索や絞り込み検索の材料も増えるため、両方を組み合わせると効果が上がります。
Q. 画像認識の精度はどのくらい期待できますか?
A. 商品の種類、撮影条件、タグの細かさで変わるため、一律の数字では答えられません。公表されている精度の数値も、測定に使った画像が自社と違えば当てはまりません。自社の代表画像100点ほどで試し、人の判断と一致した割合を数えるのが確実です。一致率の低いタグは、定義を見直すか、人が確認する対象に回します。
Q. 商品画像のAI認識・構造化にはどのくらいの期間・費用がかかりますか?
A. 市場の一般的な目安として、手作業でのタグ付け(外注含む)は1商品あたり数十円〜数百円、画像認識サービスの従量利用は1枚あたり0.1〜数円程度、自社固有の分類軸に合わせた個別構築は対象点数と分類軸の数に応じて初期構築費+月額保守という構成です。期間は、汎用サービスの利用なら数日、個別構築なら1〜3ヶ月が目安です。費用を左右するのは商品点数よりも、必要なタグが汎用的な属性(色・カテゴリ)か、自社固有の分類かという点です。

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