公開日: 2026.07.13 / 最終更新日: 2026.10.21
Shopify BtoBアプリの選び方|目的別5カテゴリと費用
Shopify BtoBアプリの選び方を、卸価格・掛け払い・帳票・アクセス制限・受注管理の5カテゴリで解説します。通常プランでも使えるShopify B2B機能で足りる範囲、必要なアプリ数を見立てる3つの質問、月額合計の見方をまとめます。
Shopify BtoBアプリは、①卸価格・顧客タグ管理、②掛け払い・請求書決済、③帳票発行・インボイス対応、④アクセス制限・クローズドサイト、⑤受注管理・複数配送先の5つの目的に分けて選びます。手順は、Basic以上の各プランで使えるShopify B2B(法人取引向けの標準機能)で足りるかを確かめ、足りないカテゴリに限ってアプリを1つずつ入れる流れです。
費用はアプリ1つあたり月額数千円〜数万円が中心で、複数入れると月額が積み上がります。アプリの月額合計がShopify本体のプラン料金を超えるようなら、構成を見直すか、カスタム開発やShopify Plusと比べる段階です。
Shopify BtoBのアプリ選びで失敗する典型パターン
ShopifyでBtoB(卸売)サイトを作るとき、レビューの多いアプリから順に入れる進め方になることがよくあります。BtoBサイトに要る機能は、卸価格の出し分け、掛け払い(請求書払い)、請求書・納品書の発行、取引先限定の非公開化など、性質の異なる課題にまたがっています。目的を決めずにアプリストアで探すと、似た機能のアプリを重ねて入れたり、必要な機能を見落としたまま公開したりします。
アプリを足すたびに、月額費用に加えて管理画面の操作項目が増え、担当者の引き継ぎにも手間がかかります。何のために入れたアプリかを後から誰も説明できなくなれば、解約してよいかも判断できません。個別のアプリ名を比べる前に、自社のBtoB運営に必要な課題のカテゴリを洗い出すと、選ぶべきアプリが絞られます。
目的別|Shopify BtoBアプリの5つのカテゴリ
Shopify BtoBサイトで検討するアプリは、次の5カテゴリに分けられます。カテゴリごとに、どんな課題を解決する手段かを押さえると、アプリストアで似た製品が並んでいても迷いません。
- ①卸価格・顧客タグ管理:得意先ごとに価格や掛け率を出し分ける。顧客タグに紐づけて価格表を管理するアプリを使えば、Liquid(Shopifyのテーマ記述言語)を書き換えずに運用担当者が価格を直せる。具体的な実装の比較はShopify BtoBで複数価格・ロット販売を実装する方法を参照
- ②掛け払い・請求書決済:「月末締め翌月末払い」のような掛け払いを取引先へ提供する。与信審査から請求書発行、代金回収、未回収の保証までを外部サービスに任せる方式と、標準機能と帳票発行アプリを組み合わせて自社で運用する方式がある。手数料や方式ごとの違いはShopify掛け払い(請求書払い)の導入方法とアプリ比較に詳しい
- ③帳票発行・インボイス対応:請求書・納品書・領収書をインボイス制度に合った形式で発行する。「納品書を再発行してほしい」という問い合わせが多い会社ほど、取引先が自分で帳票をダウンロードできる設計の効果が大きい
- ④アクセス制限・クローズドサイト:商品やページを特定の取引先へ限定公開する。パスワード保護より細かく、顧客タグ単位でページ・コレクション・商品ごとに見せる範囲を決められるアプリがある。実装パターンの違いはShopifyクローズドサイトの作り方|BtoB会員制4つの方法で比較
- ⑤受注管理・複数配送先:担当者・承認者・経理担当者など複数人が関わる発注や、拠点ごとに配送先が分かれる取引を管理する。Shopify B2Bの会社・ロケーション・担当者権限の機能がBasic以上で使えるため、アプリより前に標準機能で足りるかを確かめる
| カテゴリ | Shopify B2B(標準機能)で足りる範囲 | アプリの例 |
|---|---|---|
| ①卸価格・顧客タグ管理 | B2B向けカタログで価格を設定(通常プランは3つまで、会社別のカタログはPlus) | Wholesale Hub(旧Wholesale Club)・Wholesale Pricing Discount B2B |
| ②掛け払い・請求書決済 | 支払条件(Net 30など)の設定と、下書き注文からの請求書送付 | NP掛け払い・Paid(与信・回収・保証を代行) |
| ③帳票発行・インボイス対応 | 標準機能では日本式の帳票まで整わない。インボイスの記載事項を満たす書式はアプリで作る | Quick Order Printer・SAKUシンプル領収書 |
| ④アクセス制限・クローズドサイト | ログインした取引先へB2B向けの価格・カタログを表示 | Locksmith・EasyLockdown |
| ⑤受注管理・複数配送先 | 会社・ロケーション・担当者権限(発注のみ/ロケーション管理者) | 標準機能で足りない場合に検討 |
どのカテゴリも、アプリ単体の月額は数千円〜数万円程度が相場です。複数カテゴリのアプリを組み合わせる場合は、月額の合計で判断してください。
②で触れた与信審査を外部サービスに任せても、取引先ごとにどこまで掛け売りを認めるかという与信枠の考え方は自社に残ります。与信枠の決め方と回収リスクの兆候のつかみ方は、BtoB卸の与信管理|取引先ごとの与信枠と回収リスクの仕組み化に手順があります。
アプリを増やすほど保守の手間が増える:組み合わせ設計の3原則
5つのカテゴリを見ると、全部入れれば安心と考えたくなりますが、これは典型的な失敗です。アプリを増やすほど、月額の合計が上がり、アプリ同士の設定が競合したり、片方を更新したらもう片方の表示が崩れたりするリスクも増えます。担当者が替わるたびに、各アプリを何のために入れたのかを一から調べ直す手間も生じます。
- 自社の課題に対応するカテゴリのアプリを選び、今は要らない機能まで見越して入れない
- 同じカテゴリの機能を持つアプリを重ねて入れない(例:卸価格を出し分けるアプリを2つ併用しない)
- 入れたアプリが、どのカテゴリのどの課題に対応しているかを一覧にして残し、担当者の交代時に引き継ぐ
見落としやすいのは2つ目の重複です。掛け払い決済アプリに帳票発行の機能が含まれているのに、帳票発行専用のアプリも入れてしまい、どちらで発行した納品書が正しいのか分からなくなるケースがあります。導入前に、検討中のアプリが他のカテゴリの機能まで含んでいないかを確認します。
自社に必要なアプリ数を見立てる3つの質問
5カテゴリすべてにアプリが要るとは限りません。次の3問に答えると、自社に必要なアプリの数をおおよそ見立てられます。
- Q1. 取引先ごとの価格・掛け率の例外は何パターンあるか? → 3パターン以内ならShopify B2Bのカタログで足りることが多い。パターンが多い場合は①のアプリか、会社別のカタログが使えるShopify Plus、カスタム開発を検討する
- Q2. 掛け払い(請求書払い)は必須か? → 必須なら、Shopify B2Bの支払条件で足りるかを確かめ、与信や回収まで任せたい場合は②のアプリ(決済代行)を1つ選ぶ。不要なら②は飛ばせる
- Q3. 取引先を限った公開が必要か? → 必要なら④のアプリを1つ選ぶ。社内資料としての限定公開にとどまるなら、Shopify標準のパスワード保護で足りる場合もある
3問の答えがすべて単純な側(例外が少ない・掛け払い不要・限定公開不要)なら、アプリは1〜2個で足りる可能性が高く、月額も数千円〜数万円に収まります。複数の質問で複雑な側に振れる場合は、アプリを積み増すより、Shopify Plusやカスタム開発を含めた構築方式を検討したほうが、後の保守の手間を抑えられます。構築方式の比較と費用相場はShopifyでBtoB(卸売)サイトを構築する方法|費用と手順で解説しています。
アプリの費用は「月額の合計」で見る
アプリは1つずつの月額が小さく見えるため、導入時に総額の感覚がずれます。判断の前に、次の計算をしてください。
- 候補のアプリをすべて並べ、月額を合計する:BtoB向けアプリは1つ月額数千円〜数万円が中心で、5つ入れれば月額は数万円規模になる。Shopify本体のプラン料金とは別
- 年額に直して、開発で作り込んだ場合の費用と比べる:月額3万円なら年36万円。3年で100万円を超えるため、恒久的に必要な機能なら個別に実装したほうが安くなることもある
- 解約したときに何が残るかを確認する:アプリで設定した価格や条件には、解約すると消えるものがある。乗り換えの可能性がある機能ほど、データの持ち出し方を事前に確認する
- アプリ同士の干渉を想定する:価格を書き換えるアプリと割引を制御するアプリを併用すると、表示価格が想定と違う不具合が起きやすい。同じ領域を触るアプリは1つに絞る
アプリの月額合計がShopify本体のプラン料金を超えてきたら、構成を見直す時期です。機能が重複していないか、使っていないアプリが残っていないかを棚卸ししてください。
まとめ:アプリは必要なカテゴリに絞って入れる
Shopify BtoBのアプリ選びは、個別アプリの評判やレビュー数を比べる作業から始めず、自社の課題を5つのカテゴリに当てはめ、必要なカテゴリを埋めることから始めます。アプリを増やすほど月額費用と管理の手間が積み上がるため、念のための導入は避け、Q1〜Q3の3問で必要な範囲を見立ててから検討してください。
※本記事のアプリ名・費用感は目安です。実際の料金体系は各アプリの提供元の最新情報をご確認ください。
Shopify BtoBサイト構築の進め方はよくあるご質問でも回答しています。
取引条件(価格パターン・支払条件・公開範囲)を一覧にすると、標準機能で足りる部分、アプリで補う部分、開発が要る部分が分かれます。awai Build はこの切り分けをしたうえで自社ECを構築し、公開後もアプリの月額合計と機能の重複を保守運用の中で見直します。
自社ECの「作り方」も「伸ばし方」も、30分の無料相談で一緒に整理します作り方・予算のかけ方・マーケの知見・広告運用のうち、どれか一つが欠けていても、良い商品は売上につながりません。現状のEC・SNS・顧客データをうかがい、どこから伴走を始めるべきかをその場でご案内します。よくある質問
- Q. Shopify標準機能のみでBtoBサイトは運営できますか?アプリが必要になるのはどんな時ですか?
- A. Shopify B2B(法人取引向けの標準機能)はBasic以上の各プランで使え、会社プロフィール、B2B向けカタログと価格(通常プランは3つまで)、数量ルール、支払条件といった基本機能をカバーします。アプリが要るのは、顧客タグ単位の細かな価格の例外、特定の帳票フォーマット、外部の掛け払い決済サービスとの連携など、標準機能にない条件が出てくる場合です。会社ごとに個別のカタログを割り当てる機能はShopify Plusに限られます。
- Q. アプリは何個入れれば十分ですか?月額費用の目安はどのくらいですか?
- A. 自社の課題が当てはまるカテゴリの数で十分で、5カテゴリすべてが要るケースは多くありません。アプリ単体の月額は数千円〜数万円程度が相場で、複数カテゴリを組み合わせる場合はその合計が月額のコストになります。正確な組み合わせと費用感は、取引条件を書き出してから見立てると確実です。
- Q. アプリを組み合わせた構成と、Shopify Plusやカスタム開発はどちらを選ぶべきですか?
- A. 取引先ごとの価格の例外が数パターン程度で、掛け払いや限定公開の要件も単純なら、Shopify B2Bの標準機能とアプリの組み合わせで対応できます。例外のパターンが多い、基幹システムとの連携が必要、といった複雑な要件がある場合は、アプリの組み合わせでは管理しきれないため、会社別のカタログが使えるShopify Plusやカスタム開発を検討したほうが、後の保守の手間を抑えられます。
- Q. 導入後にアプリを組み合わせた構成からShopify B2Bの標準機能へ移行できますか?
- A. 移行はできますが、顧客タグや価格表などアプリ側で管理していたデータを、Shopify B2Bの会社プロフィール・カタログの形式に移し替える作業が生じます。取引先数や価格パターンが増えてから移行すると作業量が増えるため、取引先が大きく増える見込みがあるなら、早い段階で標準機能への移行も選択肢に入れることをおすすめします。
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